情報
・連載場所:週刊ビッグコミックスピリッツ
・連載開始:2024年6月
・出版社:小学館
あらすじ
OLの”乱”は結婚前提の彼と破局して、昔の友人こと”ほむら”と”ケイ”の3人で励ましの回をやった
そこでほむらは探偵業を辞めると切り出すが、理由が実は余命が1年だからだった
それを知った乱とケイはほむらの最期に向けて仲良く探偵業をやることにする…
評価
★★★☆☆3
野球要素がありそうな感じだけど比喩的な要素だと思っていい
話の軸は探偵家業
とはいえ推理推理みたいな本格的な感じでは無い
根幹は「死にゆく友人と最後まで楽しく!」的な女子会友情モノ
友情モノしては異様に有能なほむらと他2人でなんかつり合いが取れて無くて歪、その辺が少年漫画の温度感と違って独特でこの漫画固有の味わいがあるかも
それが面白いかは人次第
自分的には普通ですね
以下ネタバレあり感想
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・乱
割とクズでは
なんというか冒頭では振られました!辛い!みたいな感じで入ったから酒の席で暴走して吐くのはまあ許容なんですが…
その向こう見ずな言動が素だとのちの展開で判明していくのが辛い
事務所の仕事においてお花畑禁止!って言われているのに反抗して返しているのちょっとなーという感じ
責任感とか無いし、成功する気あるのかとも思う
友人のためを思うのに自分のエゴを出して困らせる、そしてそれでも相手が許してくれることをわかってごねている
距離感の使うところが悪いというか、ふざける所と締める所の分別が付かないから3人の中でガキ過ぎてなあーって感じ
何より他人のシャンプーを使う話、ギャグっぽく締めてるけど邪悪で笑えないだろ
共同生活という場においてルールを破って隠し通して嬉しいって思考するなよ
他人の信用に付け込んで自分第一って無いだろ、損得抜きで動くのが友情なんじゃねーの?
まあ破局する人間ってそういう所だぞって感じなのかもしれんが…メインキャラとしてはどうなん…
・ほむら
3人の中で探偵として夢のために邁進したとか、恋愛で一途とか群抜きで良キャラ
探偵パートでも活躍するのでカッコいい
この作品の面白さの根幹はこのキャラに宿っていると思う
それゆえに他2人と釣り合ってなくて作品全体としてはもんにょりするところがある
何で病気なんですかね…
なんかよく理由も無く余命が的なこと言うキャラいますけど、余命近い人ってこんな健常者みたいなオーラ出しているんですか?
日常において薬とか食べるモノや行動において一切の制限が無いから命の危機感が無い
それがこの漫画の明るい雰囲気に繋がっているようにも思うし、逆に変に浮いてる設定だなと思う
別に命を賭けなければ乱とケイが動かなかったといえばNoでしょ
素直に友情~~!!って押し出してほしかったなとは思う
探偵というほむらの土俵で話が進むとはいえ、有能すぎて乱とケイの存在が希薄に感じるほど有能すぎる
更に3人共同生活しているから私生活パートが出てくるわけだけど、そこでも隙が無くてなあ…
恋愛でも一人だけドラマ性に富んでて一途とエピソードが群抜きに強いのに加えて、死にそう設定もある分プロレスも成り立たない
ちょっと他2人とは上司と部下の関係性に近いなと感じる、それがキャラ同士の掛け合いに影を落とすなーと思う
もう少し隙を見せてほしい
・ケイ
今んとこ一番影薄いなー
事務所をコッソリ掃除している所とか、粛々と仕事している所とか大人すぎてアクが無い
こういう人材って確かにコミュニティを円滑にしてくれるから大事だと思うし、なにより他2人が強烈な分バランサーとして上手くたっていて良いとは思う
ただ今のままだと乱とほむらの凸凹コンビでも成り立っちゃうなとも思わなくもない
何か個性を主張してもらえると嬉しいが…
・話
探偵として猫探しの事件を紐解くのは面白かった
表面的では無く実はこうでしたってどんでん返しもあって、中身も人間味を感じる事件なのが良い
それを内面の裏も見て真の解決まで導くスマートな話ですっきりする
まあ「ほむらかっこいい」に集約されるところではある
あと探偵として能力向上して、ほむらが死ぬまでに居なくなった人を探すって筋を提示してくれてるのは好印象
女子のトーク主体って行き着くところが無い事多いから…とりあえずここからほむらの恩師の事を順次探っていくことを軸にトークで和気あいあいしてくれる感じなら、気軽に楽しめるのかなと思った
やっぱ次につながるって大事ですからね
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終わり