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エクソシストを堕とせない 10巻 感想



エクソシストを堕とせない 9巻 感想  - 紙の漫画を買って読む

 

あらすじ

怠惰の力で人類はぬいぐるみになったが、魔力を持つ者だけは1時間程度猶予があった

神父くんと怠惰の契約の完了を止めるべく神父くんの元へ向かうも魔女の妨害もありイムリだけが辿り着く

怠惰は世界がクソであること、神父くんが苦しんでいることを説明するが、イムリは自分の思いを伝えるために神父くんへ特攻する

 

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メインヒロインが活躍する良い巻です

★4

 

 

 

以下ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

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・イムリ

さてこの巻は世界に絶望した神父くんを助けに向かうわけですが、まあ協会の自分勝手な事!

ここにきても「神父くんの力が必要」なんて、どこまでも利用したい協会の姿勢は変わらないですね

魔女組も神父くんを簡単に退けられそうと追っかけてくるけど、これはいつも通りか…

 

そんな感じでどこまで行っても人は自己都合で争うなあ~って思ってたら、イムリが「付き合ってられっか」と先に行く展開は良かったです

この辺のくだりって大局的には意味を持たないから冗長に感じますけど、思惑を交差させるという過程を経る事で、キャラが舞台装置では無く自分で動いているように見えるようになる

それを理解しているからこそ無駄な展開を程々にしつうつ、最後はバッサリ切り捨ててくれるのでしょう

こういう風にキャラが自然な形であろうとしてくれる姿勢が好きです

 

で、イムリはレアとバーバラに対して名乗りを上げるわけですが…

淫婦リリトの子孫で人の子を堕落させるリリンって言われてもなあ…全然ピンとこなかった

調べたらWikipediaにリリンってリリムの事だと書いてある

確かにリリムって名前なら聞いたことあるわ、なんか配信業に邁進していた気がしますね

 

一応Pixiv百科事典曰く、リリムには「新生児を襲ったり、睡眠中の男性を誘惑し夢精させる」って書いてあるな

もしかして神父くんが自慰したのってリリムの持つ力だったって事?

でも本人は魔力無いって言ってるんだよな、良く分からん

 

まあ一つ言えることは、イムリがリリムである以上、世界に対して無知である無垢な少年である神父くんを好きになるのは、イムリが”そういう存在だから”って事なんでしょう

だからこそ自分の愛を貫き通そうと宣言するし、その生き様こそがレアに「真の意味で悪魔だと思った」と言わせたんじゃないかな

でも恋心の過程はどうあれ、イムリが神父くんを思って行動していることは真実だからレアは見逃した

神父くんからすれば、イムリが自分を愛しているという事実があればいいわけですからね

エクソシストとしての自分を曲げて神父くんを思うレアの優しさが沁みる一幕でした

 

・怠惰の主張

イムリが怠惰のもとに辿り着くが、怠惰は自分を追ってきたと謎の勘違いをする…

単純にキモいなオイ

勘違い陰キャを地で行くデザインなのはわかるけど、自意識過剰なのは怠惰とはちょっと違うような…

 

というか回想でも怠惰って感じじゃないよな

仕事で出世して、ちゃんと女にアプローチして、育児を頑張ってる…

しっかりしたリーマンじゃないですか

それで女に裏切られて激昂し周囲を破壊って…憤怒では無いですか?

まあその後、世界に対して怒るよりも萎えてる所は確かに怠惰なのかもしれないけどさ

しっかり大人として活動し、人と接する時間があって人を愛せたにもにもかかわらず、最後は自分にとって嫌なことがあったから世界壊したろwって視野が狭すぎて幼稚なの何なんだ

 

そう思ってたらイムリが言いたいことぶつけてくれて良かったです

こう感じるように内容が誘導されていたんですね、作者の構成力の高さに脱帽

 

・イムリの告白

イムリもリリムだから人を好きになっては堕落させて破滅させてきたんですね

そしてそれを悔いてる

でもそんな自分を変えたい、つまりは自分の為に生きたいって思っていた

そんな人生だからこそ、神父くんの大義の為に自らの個を殺す生き方に同情するし、救いたいと思うし、幸せになってほしいと感じているのですね

だから告白する、神父くんの幸せを願う自分を受け入れてほしいから

それはまさに愛

良い告白シーンだったと思います

 

 

しかし「なんのために生きるか」ってのは難儀なテーマですよね

…扉のメッセージ的にそういうテーマでいいよな…?

これ皆自分の為に生きているし、それを選んでいるって話ですよね

私はどのみち死ぬ人生だから最期に後悔しないように生きる、そのために自分が納得できる物事を積み重ねる事を第一にしているんですが…

そんなもんじゃないですか?

死という結末が確定している以上は人生って何を選ぶかでしかないし、そして選択できるのは自分の行動だけなんですよね

例えば誰かの為に動くっていうのはそういう自分を選んでいるし、誰かを否定する自分を選んでいる

つまり他者の為に生きるってのは本質的には存在しないから、「なんのために生きる」って問題は「自分の生存理由を自分以外に委ねる選択をしている」と自覚する必要があると思うのです

 

まあ何が言いたいかって言うと、神父くんも選択できることは自分の事だけであると自覚し、自分の為に生きてもらえたら嬉しいなと思います

 

 

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うーん、あんまり綺麗な文章になっているとは思わない

恥ずかしい更新になりそうです

 

終わり

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