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エクソシストを堕とせない 8巻 感想 - Manga_tokano_nikki
あらすじ
協会は魔界の妨害工作により拠点を追われる傍ら、魔女のワルプルギスを阻止するべく夜会を襲撃する
しかし魔女をすんでのところで取り逃がし、どんどんと拠点を失うことになる
其れとは別に怠惰が神父くんに常に精神攻撃を仕掛けることで、神父くんは今やっていることがなんなのかを再考することになる…
以下ネタバレあり感想
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・神父くん
イムリで自慰したことを悔い改めるとはなんて信仰深いのだ
しかし神父くんの頭の中でイムリが「勝手に許しちゃいけないんだ」と言い出すのは何とも…
教えに背いた自分を許せないのか、人間と同じように赦しを乞う側に立っていることを糾弾しているのか
どのみち自我と欲望を否定しているという事なのだろう
だからイムリに抱きつかれたときにストレスが上がった、嬉しさや欲望のような私欲よりも罪の意識が勝っている
幸せの形が神に尽くすことという価値観から中々抜け出せないね…
そして魔女とボウリングね
ここで即悪漸として動かなくなったのは価値の再考をしているからに見えるけど、単純にメンドクサイと思っている側面もあるのではないか
怠惰のお陰で、行動の大義が神の御心から自身の願望に移り行く
だから今回は周囲が”争わなくていい”と言ったから争わなかった、説得されることを選んだ
そんな風に思った
目玉を取っていた初期から比べると大違いですね
変化を感じる一幕でした
・第三勢力
魔女達って七つの大罪に属していると思っていたけど、割と独立しているんだ
確かに魔女と大罪って別概念だよな…なんかリゼロで魔女=七つの大罪を司るみたいなイメージが付いちゃってた
で、魔女たちが目指すワルプルギスの夜ってなんぞと思って調べたけど、聖遺物輸送に成功したお祭りだのなんか色々な背景があるんだね(Wikipediaを見た)
とりあえず魔女と協会との決戦という事は分かった
で、諸外国ではワルプルギスの夜は魔女を追っ払った記念日的な扱い??
ワルプルギスの夜って魔女にとって敗北イベントなのね
まあ、そうか
協会側の歴史から見れば魔女は敗走してばかりになるよな
負けたなんて書けるわけないし、現代まで生き残った教えなんだから正義みたいに言えるもんな
・歴史とは
最後、神父くんは遂に「世界を愛せない」というところまで来ましたか
まあ、疲れますよね
人間は自分を律するのが難しいですけど、そのツケを一人で背負わされているんですから
いい加減自分のケツぐらい拭ってくれって気持ちがわくのは仕方ない
歴史は繰り返すというけど、本質的には理性と野生のせめぎあいよね
支配という理性が広まれば野生が戦を起こし自由を求める
野生という暴力が蔓延れば理性が正義を下しルールを作る
野生に寄りすぎても理性に寄りすぎても最適な環境が人によって違うから、生物として耐えられない
要はバランスと時代の潮流なんだが、人が生物である限り人間は野生と理性を内包するので簡単にはいかない
そう考えると正義って結構不安な土台に乗っているものね
結局は時代に愛されたかそうでないか
歴史とは皆の好きだったもの一覧なのかもしれないな
話を神父くんに戻すと、本当に神父くんも変わったよね
自分は神の遺志というところから、自分の意志で世界をどう見るか選ぶところまで来たのだから
イムリが神父くんを人間に堕としている、タイトルの完遂も近いね
まあ神父くんが自分でどの未来を選ぶのかは今の所定かではないが…
今後も楽しみですね
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★4
終わり