1-2巻を割と酷評したが、3巻を見かけたら中覗きたくなる程度の魅力はあったので買った
1‐2巻の感想は以下
宇宙人のかくしごと 1-2巻 感想・レビュー - Manga_tokano_nikki
・内容
唐柿、復活
ヒノエと委員長の決着
ハルの目的についての説明
以下ネタバレあり感想
↓
~~~~
・不幸なキャラ達
自殺したテル
殺された唐柿
自殺したヒノエ
両親に愛されなかった委員長
主要人物全員不幸!
作者は意表を突くことが大好きなのですねぇ
そのために皆脈絡なく不幸になった
報われねえ~読んでて悲しいですよ
最も委員長以外は皆バックボーンがちゃんとしていないのは作者なりの配慮なのかな
感情移入できないほうが楽に殺せる的な…ないか
・ハルの思考について
ハルって言動に一貫性があるのか無いのかよくわかないまま終わったなあ
結局のところ思考の表層しか喋ってくれないから過程不明で理解とは無縁の存在のままだった
情緒が無い一面を覗かせる癖に相手の言葉の意図を読み、的確な返答を返せる
感情があるのか無いのか
この2つで揺れ続けるせいで軸がわからない
唐柿復活について、ハルはクローンなのだから同一個体だろうと言い放つ
それに対して委員長は価値観がズレていると語った
哲学的な話題だなあと思った
人間は皆主観性を持っているから主観としての人格を魂ととらえるし、連続的主観性が途切れたら魂が変わるから自己同一性が担保されないという発想になるのよな
それに対しハルが理解を示さないのは、ハルの住む宇宙人が主観性について既に理解が進んでいる高度な文明なのか
それとも主観性についての概念が存在しないのか
あるいは主観とは一個体に宿るものではないのか
ここに答えが無いからハルがよくわからない
委員長の事も好きという
好きなのは声笑顔話し方身長性格目眉鼻口と表層的な要素を一通り並べる
生まれてきてくれてありがとうとか気遣いも見せる
そんなこと言いながら銃ぶっ放して体破壊しているのも理解できなかった
お気に入り要素全部消えた~~~~
本当に何が好きだったのかよくわからない
中途半端に思いやりを見せた理由もよくわからない
一貫性が無い
こうやって理解できないキャラを出されると、意識が作品の外に飛んでくんだよな
”このキャラを生み出す心理は?目的は?"ってキャラを理解するためにメタ考察してしまう
ここがこの作品の評価の低いところ
著しく理解・共感にかけるキャラや状況は作品体験において大きな枷になる
ハルの言動で話が進むのにハルを理解できなかったからおいて行かれた
このミステリアスを楽しめる人は楽しめるのだろうが、自分には適性が無かったね
・世界征服
ハルが移住のために人類を絶滅させることを目的としてやって来たと明かしたが…
これ意味不明だなと思った
人類を滅亡させる必然性って外敵に異様に強いって話で終わり?
移住が目的なら別に共生が一番早いだろうに…
姿形を真似てハルが住んでるんだから、この方向性で問題ないだろ…
そもそも抹殺するにしても兵器とかの文明レベルが非常に高いんだから生物の抹殺なんて容易いだろうに
あのカード型のガンを作れる時点で人類に勝利するのはEasyに見えるけどね
なんで自分たちで滅ぼしあうのを待つなんてみみっちいことやっているんだ…
人類は団結して立ち向かうから強いみたいな話が説得力を持っていればいいんだろうけど、あまりにもガンであっさり人を殺してしまっているので流石に説得力が無いと思うんですよ…
てか滅ぼしあいでも優しくして文明を停滞させるなんて回りくどいことする理由もないだろ
人類は争って敵作るほうが簡単に自分たちで滅びるだろ
ハルの前でクラスメイト3人も死んでるんだよ、効率抜群じゃん
テロ組織に渡せばあっという間に人類何割も減るだろ
そういったハルの目の前の現実を無視して平和を謳歌させる選択をする理由が分からない…
こうなると人類を滅ぼすってパワーワードのためだけに諸々の設定投げているでしょ…
って頭が片付けちゃうんだよな
平和ボケで世界滅亡も作者のメッセージか何かのメタファー?みたいに見えてくるのよね
もう好奇心でページをめくるのに答えが作品内に無いので辛いです
そんな状態で読み切ったので、最後の2人の告白のオチについても具体的な設定云々ではなく、隣人は一皮むけば理解不能な場合があるっていう作者のメッセージとして解釈しました
~~~~
あとこれ打ち切りじゃなくて最初から3冊予定だったんだね
最初から計画していたということは…
諸々書きたいシーンのために逆算して話を付けた趣味全開の物語だったのかな!
と結論付けた
作中内でスッキリできなかったから、作外でレッテル貼りして自分の心をスッキリさせただけですこれ
勿論作者は意図とか美学とかしっかり詰め込んで書いていると思うけど…
自分には理解できなかった申し訳ないね
★2
終わり