Manga_tokano_nikki

主に漫画の新刊感想か新作のレビューを書いています。ネタバレを含むかもしれない

ニセモノの錬金術士 1-2巻 感想・レビュー

オリコンにランクインしてたんで結構売れてるっぽい

将来メディアミックスあるかもしれませんね

 

あとこれなろう原作じゃないんですね

「ニセモノの錬金術師 なろう」で検索したら似たタイトルのなろう作品の作者が注釈で関係ない旨を喚起していて草

 

・内容

トラックで轢かれた男・パラケルススは神のノリにより別世界に転移させてもらえた

その際チートをカタログから2個選んで選出して使えるようになった

選んだ錬金術とセーブポイント能力を使うにも、人手は欲しいが秘匿したいので奴隷を雇った

ところが奴隷の方がなんか優秀...

神の暇つぶしに能力者を異世界に大量に放り込んで能力の奪い合いをさせる状況を、奴隷がなんとかしていく

 

・評価

★★☆☆☆2

スローライフな導入からまさかのバトロワ路線

そして転移してきた主人公より、奴隷の方が状況把握して活動していて実質主人公

加えて奴隷は父の霊体と話してばかりの鬼太郎スタイルで戦うので主人公はもう箱入り娘みたいになってる

色々奇抜で新鮮

戦いも策略メインのインテリ展開で、ノリは「神様の言うとおり」みたいなイメージ

 

別に話本筋は興味を持つことはできるけど、キャラが好きになれん

転生者が中心じゃないからね

邪道が邪道たる所以を感じる作品でもある

 

以下ネタバレあり感想

 

 

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・Theなろう小説みたいな導入

開幕からずっと説明の話をされて面食らった

奴隷を雇う→奴隷に能力を説明するって流れはキレイだけど、仕組みの話まで全部開設するとは

能力を口で説明するのって小説みたいな導入で微妙なんだよな…

ところがこの作品漫画がオリジナルなんだよ、漫画オリジナルなら説明チックな話ではないだろうという期待を裏切ってきたなあ~というのが正直な感想

 

能力開示として滔々と天地万物のレシピの説明をされるわけだが、正直細かい仕様全然わかってない

完璧で再現性がある調合ができるという認識で落ち着いた

まあこの認識だけでも話を理解できるので助かるが、最初にやることではないでしょうよ…

 

そしてセーブクリスタルは相性が悪い!とかいっていきなり空気能力だ…

まあどっかで伏線として使われるんだろうけど、2巻まででは基本死にスキルのままだ

 

更にエルフの奴隷(四肢をもがれている)とかいう存在をとりあえず回復させ始めたけど、今の所話に何の影響があるのかわからん

 

まじで知識を差し込まれている感が凄い

伏線を「伏線でーす」ってあからさまに投げ込まれてもなあ

マダミスの設定読み込み時間のような気分ですね

ゲーム始まらないから面白くないですよ

 

2巻読んでなかったら正直☆1でした

 

・パラケルススとノラ

いやパラケルススって覚えづらすぎんか

感想書くために読み返してやっと名前思い出したもん

まあノラは「だんなさま」で呼ぶから作中気になることはないけど…

逆にノラは呼びやすいし、一人称もノラで分かりやすくていい

まあこの辺は作者も主人公をノラに据える算段だったんでしょうねえ…

 

最初は奴隷としてノラは従順な存在かと思ったら、過去回想カットインからいきなり有能枠に進化した…

呪術師とか固有能力あるし頭クソいいしで頭脳戦担当になってて草

というかそもそもノラ主観で話進むようになってパラケルスス完全に保護対象…

奴隷が優秀で主人を守るために四苦八苦って展開、これは中々ないよな

少なくとも自分は初め読むパターン

なので「ほう…」とここでやっと関心を持った

 

そしてノラの会話相手として父の怨霊がついてるの草

エクボとモブが霊幻守っとる状態じゃん

正直パラケルススはナヨっとしていて微妙だとは思っていたが、会話相手としても省かれると好感度を上げる余地が…

ここがこの作品の勿体ないと思う所

パラケルススがもっと魅力的なら応援できたと思うんだよな…

まあここからアゲはあるかもしれないので、長い目で見たほうが良いかもしれませんね

まだ2巻ですからね

 

・バトロワ

選択した能力的にスローライフかと思えば、転生者を見張っている武装集団に能力の簒奪可能な事の開示と、いきなりバトロワ路線で驚いた

そして転生が神の遊戯であることをしっかり提示し、どうあるべきかの道筋を見せてきた

それと同時に「この作品は結構しっかり理詰めでやっていくんだなあ」とも受け取った

こういう細かい所を詰めていると、この作品はすべてに意味を持たせる派なんだなと思うわけ

序盤の長い説明も全部回収する気なんだなと期待させてくれる

 

かといって戦闘面を全部奴隷が行うのもなあ

転生モノって、そもそも転生者が異世界で”新しい可能性を模索する=現世にはない自由の謳歌”に爽快感があると個人的には思ってます

けど現状はパラケルススの存在は枷なので、読んでて窮屈な気持ちになる

意表を突かれることの新鮮さと、なぜ邪道は邪道なのかを考えさせられるね

 

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まだ色々伏線撒いている所だし、結構理詰めに話をやろうという気概は感じる

なので最後は気持ちよく解決して終わる気配はする

切るには惜しいが…今の所は苦痛寄り…悩ましい!

 

終わり